つつみやすゆき 泰之

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外国人労働者受け入れ拡大(出入国管理法改正)

2018.12.25
ブログ

ひさしぶりのブログ更新になります。この半年、お受けしていた各団体の役に徹することに始まり、後援会の挨拶回りや辻立ち等に忙しくさせていただいておりました。

政府は今年、外国人労働者受け入れの拡大を図って出入国管理法改正案を国会で可決いたしました。

今後、五年余りで34万5千人の外国人労働者が5年間の在留資格を得て日本にやってきます。熊本にもこれまで以上に多くの海外からの労働者がやって来るのは間違いないようです。
彼らは日本語教育費や渡航費用、就職先への斡旋マージン等の大きな負担を負ってやってきます。5年間の限られた期間の中で母国の家族へまとまったお金を送るために。

私が仕事やボランティアでお会いしている外国人の多くはとてもおとなしい人達です。それでも予定していた給料の支払いがされ無かったり、少しでも有利な条件で他の職場に誘われたら行方をくらましても不思議ではありません。日本に来るのにかかった費用を取り戻さなければ母国に帰れないのですから(不動産業にとっては退去届が出されずに連絡が取れなくなることは深刻な問題です。裁判・競売等の手続きをしなければ物件に入ることも出来なくなるのですから)。そして、そういった方々の中のかなりの数が犯罪や不審死の危険に晒されているとの記事を新聞で読みました。私は拙速な海外労働者受け入れ緩和には疑問を抱いています。海外の方が安心して働き、生活していける環境整備が為されていない中で受け入れを急いでも問題が拡大する恐れがあります。不動産業界としても迷惑です。

しかし、逆に熊本が海外労働者受け入れに対して条例や公共投資によって先進的な環境整備を行い日本人も海外からの人々ともに快適に共生できる状況を創ることが出来れば熊本にとって大きなチャンスになります。

これから先いずれ優秀な海外人材を韓国、中国、インド等と日本が取り合う時代になるとも言われています。少子高齢化が進む地方都市において、これから先、どういった『質』の海外人材を引っ張ってこれるかが都市の競争力の決め手になるかもしれません。

ドイツでは50年余り前に期限付きで受け入れた外国人労働者が国の経済のエンジンとなって永住権を取得するようになり、現在では人口の20%近くが海外出自者です。しかし海外出自のドイツ在住者と生粋のドイツ人では失業率も生活保護率も2倍の開きがあります。外国人20代の真面目な若者が日本に来れば恋もし、子供も生まれます。私の妻の妹も10代からオーストラリアに渡り、現地の方と結婚いたしました。我々は日本人としての主体性を失わずに、海外で生まれ育った方々と仲良く暮らしていく術を見出す必要がある時代に生きているのは間違いありません。

もし、私が熊本の舵取りの一端を担う立場になれたなら、これから先の世代の幸せの為にも違う文化に生まれた者同士が仲良く暮らしていける地域のシステム構築に力を入れていきたいと思います。戦争から150年経っても人種差別が無くならないような社会はまっぴらだと思いますから。